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優秀賞

貝殻の島
牡蠣の廃殻を利用した人工島の計画

岩倉 巧

フリーランス

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瀬戸内海は豊かな漁場に恵まれた牡蠣の産地です。中でも広島県呉市内で廃棄する牡蠣殻は年間二万トンを超えると言われ る。この大量に発生する牡蠣殻を小さくクラッシュし海に撒く事で大小さまざまな形をした人工島をつくり、豊かな漁場と人々 の生活や観光産業などを結びつける新たなパブリックスペースを計画する。貝殻でできた島は波によって少しずつ削り取られ 島の形を徐々に小さくする。砕かれた殻の粒子は海水を浄化し、次のシーズンに備えたミネラル豊富な海水をつくる自然の肥 料となる。島は牡蠣の養殖のサイクルに呼応するように一年を通して使われ方も変わる。収穫期にはレストランや牡蠣剥き体験 といった観光客も楽しめる賑やかな雰囲気をつくり、シーズンオフの育成期には瀬戸内海、本来の穏やかさを取り戻し、漁師の 仕事の合間に利用される休憩所となる。島は人々の暮らしと牡蠣の養殖に寄り添いながら形を変え、我々を優しく迎え入れる。

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