top of page
佳作A
船湯 SEN-TO
今枝 龍哉
株式会社梓設計
共同制作者/
後藤 正太郎
株式会社梓設計
災害の発生により、被災した人々は、避難所で慣れない共同体での生活を強いられる。普段交流のない人々とのコミュニケーションや生活環境の質の低下は、大きな精神負荷となり、二次的、三次的な被害を招く。災害で冷えきった被災者の心に、温かい交流を促す避難所を計画したいと考えた。そこで、古くから交流の場として機能していた「共同浴場」を中心とした避難船を提案する。すり鉢状に配置した段床によって構成される浴槽は、湯量と段差によって、「足湯」、「半身浴」、「全身浴」、「寝風呂」、「休憩のための腰掛け」など、多様な入浴のふるまいが共存し一体の場を形成する。好みによって場を選んでいるうちに、同じ好みをもつ他人が現れる。他人はやがて顔なじみとなり、いつしか自然な交流がうまれる。希薄だった共同体の人々の関係も徐々に醸成されていく。
bottom of page