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奨励賞

溶けない記憶、溶ける時間

郭 寧

大阪大学 工学部
地球総合工学科 建築工学コース

共同制作者/今井 琢也

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私の祖母が死んだ。
後には祖母の家が残り、私はそれを引き継ぐ事になった。
長い間暮らすうちに、祖母の体にフィットするように配置された家具達。
もはや体の延長とも言えるほど、身体寸法が染み付いている。
家具は祖母が暮らしていた時の配置で固定する事にした。
しかし、それらを残したまま、私は家を自分に合うように変える事にする。
そこで、私は壁を開放する事にした。
壁が自由に動く事で、祖母の家具の記憶をのこしたまま建築は自由になる。
子供の時に見ていた祖母の姿に自分を重ねて見る。
思ったよりも、ずっと小さい事に気がつくだろう。
ふとした瞬間に感じる、祖母の息づかい。
私の祖母は確かに生きている。

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