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佳作

浮遊景

片山 豪

筑波大学 大学院 
芸術専攻 建築デザイン領域

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木や草が生い茂る世界に足を踏み入れると、そこにはふわふわと風景が浮かんでいた。私たちの周りには古来から人類に愛 されているありのままの自然がある。しかし、そんな自然に対して建築の振る舞いはどうだろうか。大部分の建築は整えられ た大地の上に不透明で強い存在で私たちを覆うため、自然との関係性は薄く、距離のある日常になってしまっている。そこで、 本提案では、限りなく透明な硝子の床を散りばめ、家具を展開していく。限りなく「無いもの」は、大自然という「在るもの」の 存在を増幅し、その場で過ごす人だけでなく、そこを訪れた人にも、自然本来の有機的な動きや質感をダイレクトに感じさせ る。そこには、自然から隔離された建築の姿ではなく、自然と共生する身体性溢れる建築の姿がある。このような空間でこそ、 人々は新たな営みが生まれていくのではないだろうか。

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