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優秀賞

浮遊する伽藍

菅野 正太郎

mi Co.

共同制作者/園家 悠司

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寺は本来、寺子屋、施療、駆け込み寺といった地域の生活インフラとして存在していた。都市において閉塞感をもたらしている木密地域と寺町の境内に着目する。「生活インフラ」を都市に開き、寺町を核とした領域の再編を考える。東京の寺町は、近世・近代を通して寺本来の日常生活の受け皿としての役割が失われていった。木密と境内を使いながら、寺本来の生活の受け皿としての役割を構築する。境内の敷地に仮設建築を建てる事で、木密を建て替えることを計画する。境内の表裏が変化する中で、街区一体を大きなまとまりとしていく。新築として計画する2Fの長屋は、最小限の「生活スペース」を備えた集住。1Fは賃料を通して地域で共有可能な風呂/食堂/工房/土間などの余剰としての「生活インフラ」を設ける。長屋の大屋根は境内の空間を囲いつつ、1Fにおいて境内は開かれる。既存と境内の見え隠れする関係が一体となった複合的な伽藍が都市に広がる。

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