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優秀賞
崩壊した防潮堤の先に
邉見 啓明
千葉大学 大学院 工学研究科
栗生明研究室 建築学専攻
3.11の大津波で多くの防潮堤が崩壊した。防潮堤を造ったからと、油断して逃げなかった人もいた。しかし、今回の大津波は過去の教訓を超えてしまった。これからの私たちに何が出来るのか?繰り返される悲劇の中で、私たち人間と自然とは、どのように共存していくべきなのだろうか?無惨にも崩壊してしまった防潮堤は、私たちに問い掛けているような気がする。大切な事は、3.11の事実と真摯に向き合う事、人間の心の内に潜む自然に対する「傲り」を、もう一度省みる事、そして、「復興」という未来に繋いで行く事。今までの防潮堤は、人間が「海の脅威」と向き合う壁だった。しかし、3.11の想像を遥かに超える大津波によって崩壊してしまったとき、それは、人間が「人間自身」と向き合う壁となったのだと思う。本提案では、崩壊した防潮堤の一部を残し、人間が対面する事で自問し、その先に「復興」という未来の光を見出す新たな土建空間を創造する。
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