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優秀賞
屋根の根 -Roof of Roots-
堀次 宏暢
福井大学 工学部
建築建設工学科 建築学専攻
屋根はなぜ屋の “根” なのでしょうか。私はそこに建築の根元を感じました。屋根があることが建築を建築として成り立たせていて、屋根が自然に近づいていくことで自然と建築が一体化されるのではないかと考えました。木と木の間の地面を掘り、できた穴に竹の棒を架けていきます。長い年月をかけ竹の筒の中を木の根が伸びていき、根と根がからみ合い成長します。やがて根は竹の筒を破り、インド・チェラプンジの「生きた橋」のような “屋根の根” が現れ、とどまることなく成長し続け、より美しく、より強くなっていきます。建築を緑化するのではなく、建築と緑化が並行して進みます。いつの間にか人は自然に覆い被さるように土地を “根切り” し、その上に人工物をつくり上げていきました。自然に対して上から目線の建築が波にのまれ、灰を被り、土砂に押し潰されることを知った私達は、もう一度自然に謙虚に向き合った建築を目指さなければいけないと考えます。
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