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佳作C
大海原の小さな“潮溜まり”
―港の漁礁をつくる自然のドア―
井上 慧祐
芝浦工業大学大学院 理工学研究科
建設工学専攻 原田真宏研究室
人と海の接点である港に、様々な生き物の居場所になる“潮溜まり”を提案します。自然現象で起こる、潮の流れは、季節や時間で絶えず変化し、港に様々な表情をつくります。自然のドアは、これらの流れに合わせて不規則に開いたり閉じたりして、その時・その場所に居る生き物を“潮溜まり”の中に運んでいきます。美しく広大な、紺色の世界が私たちと出会う場所。そこには、ゆらゆら揺れる無数のドアが浮いてくる。流れに身を委ねながらそのドアをくぐり抜けると、そこには豊かで小さな“潮溜まり”がある。海上では、私たちの操縦する船がゆらゆらしている。海中では、小さな魚の群れが縦横無尽に遊んでいる。海底では、鬱蒼とした茂みに生き物が潜んでいる。
港の入り口に、潮流で開閉するドアをつくることで、小さな“潮溜まり”は様々な生き物の居場所をつくり、人と自然を結びつける新しい繋がりをつくり出します。
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