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佳作A賞
大きなおだんごの家
杉山 峻涼
武蔵野美術大学 建築学科
ある古い二階建ての木造家屋でアフリカ雑貨屋さんを営むオーナーの、お店兼住宅のリノベーションです。既存の家屋ではアフリカ屋のものや文化が、オーナーのものや生活と分け隔てなく散りばめられ、おおらかで自由な、特異の空気感をつくっていました。そこで、リノベーションにおいて、既存の躯体を基本的にそのまま残して使用することに加え、散りばめられたたくさんの「もの」の配置や位置関係も、そのままにしておくことにしました。
ここに、大きなおだんごを挿入します。おだんごは、既存の空間をおおらかに縁取って、緩やかな秩序を生みます。それに、水平力を負担する新しい構造体であり、カーテンがはしる輪っかであり、空間を柔らかく分節する円であり、一階と二階をつなぐ吹き抜けであり、天井であり、床であり・・・そうしてかたちの意味が漂白されてしまって、おだんごが、くもにも、はらぺこあおむしにもなれるような、大きな家の提案です。
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