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佳作

夏、雪室で会いましょう

江邨 梨花

日本大学生産工学部建築工学科
居住空間デザインコース4年 建築意匠

共同制作者/鈴木 輝

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雪国では昔から雪を集めて活用する「雪室」という考えがあった。雪を最大限活用するこの方法には多大な労力と広場が必要だったため、今は衰退しつつある。そこで住宅の間に「雪室」を持つかたちを提案する。雪室を持つことで「屋根・壁・窓」が働きものになる。屋根は自然に雪が落ちる45度勾配となり、雪かきの労力や雪を溶かす発電量を抑える。壁は雪室の床や天井として開き、夏は涼しい共用部・冬は機密性を確保する。窓ガラスの煙突は、夏は涼しい風・冬は暖かい光を取り込む。仕組みとしては、集風塔から雪室へと空気が流れ込み、雪に冷やされた空気は住宅内を通り、煙突から抜けていく。雪解け水はポンプで汲み上げ、周囲にまくことで打ち水効果を得る。雪室は土に覆われ、温度変化の少ない地熱によって夏場でも溶けにくい状態を保つ。雪室が地中で建物全体を支え、その上に開口を避けた壁、支えやすい勾配の屋根により構造が成立し、可動壁が成り立つ。

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