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優秀賞
十二隻の難民
砂田 頼佳
東京大学工学系研究科
建築学専攻
海上油田掘削に用いられるプラットフォームである「オイルリグ」。船に曳航され現場に現れ、海上に巨大なトラスの脚で自立する姿は海上都市を思わせます。日本においても12基が保有されていますが、日本企業で唯一それらの操業を行っていた日本海洋掘削株式会社は2018年6月に事実上の経営破綻となり、オイルリグと事業従事者は苦境に直面しています。
本設計では、実在するオイルリグの図面を踏まえ、医療施設へのコンバージョンを試みています。この「日本のアジールフロッタン」の設計は、3種類の難民を救う役割を果たします。一つ、12基を適切に配置することにより、災害発生時に日本中の沿岸に24時間以内に医療拠点がいきわたる、避難民の支援。二つ、平時において離島の医療拠点や漁船の燃料中継地となり、孤立する地方の沿岸部集落を繋ぐ役割。三つ、現在受け入れ先を探す難民ともいえるオイルリグ群とそのオペレーター自身の受け皿となるという役割。
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