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奨励作品

丘の上、縁の下

渡邉 修平

芝浦工業大学 大学院 
工学研究科 建設工学専攻

共同制作者/鈴木 寛己

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日本の土地の7割は山である。古来から日本の生活と山は密接な関係であった。しかし、人々は水平な地面を求め、山を造成した。水平をつくることで自然を征服した気持ちでいたのだ。この考えは3.11以降大きな転換を迎える。征服したと思っていた自然は大きな脅威となったのだ。私たちは再び、山や地形との暮らしについて考えなくてはならない。私たちは造成されてしまった原始の地形を再成し、新たにその地形を象った新しい「丘」を提案する。造成された土地をもとの傾斜地に沿って一層分の空間を浮かせ、新たな丘を作る。この丘は人々の「縁」を結ぶ丘である。また、この「縁」の下には文字どおりの「縁の下」として人々を支える、自然がある。この自然は、普段は都市の緑として人々を癒し、災害時には緊急避難場所となり、安全を守る場所でもある。人と自然の「縁」をつなぐ、この丘は、私たちと自然との間の新しい都市のかたちである。

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