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優秀賞
上に大きな家-森の彫刻
張替 那麻
東京理科大学 大学院 理工学部
壁に窓を設けて外の緑の風景が見える。この方法では木という一つの実在が許す読みとり方は一つであり、壁に大きく開けられた窓は体験という空間として認識できるものでは決してなく、視覚的な作用を及ぼす面であるだけだ。では、森の中で体験できる木漏れ日や木陰を住宅の内部と外部にもたらす方法とは何か?それは建物と森が相互に依存しながら、木というある一つの実在をシンボライズした人工的な森の彫刻を、断面に大きいことを手がかりにしてこの場に現出されることである。
これらのカタチは自然環境を増幅させる仕掛けとなって、住宅内部にさまざまな緑の相を持ち込み、外部にはいろんな個性をもった木々と人工的な木のヴォリュームが寄り添い、依存しあいながら形成される豊かな外部空間をもたらしたのである。上におおきな家は窓を内と外の環境を視覚的に開くものとしてではなく、木というある一つの実在を手がかりにして、体験的に開いたのである。
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