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入選

うえきばちハウス

日野 晃太朗

広島大学 大学院 工学研究科 
社会環境システム

共同制作者/渡邊 晴香

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都市郊外のまちに一本の木を据えた小さな住宅を考える。そこにはリビングのように使える原っぱが屋上にあり、この家の主役である木が植えられる。春・夏は葉が生い茂って日陰ができ、秋・冬には葉が落ち、屋上や室内に日が当たるようになる。また屋上の原っぱで住人が草花を育てたり、ハンモックに包まれて過ごすなど生活の場として利用していく。家の中心に設けられた土のコアは木が根を張るスペースであり、土の安定した温度特性を活かして快適な居住環境をつくる装置となる。当然の事であるが木は時が経つにつれて成長し、家は次第に老朽化していく。うろこ壁には自然と蔦や苔が植生していくだろう。けれどそうした変化を肯定的に受け入れられる優しさを持つこの家はよい年の取り方をしてくれると思う。この家が建ったことで、街並みに与える変化は小さいが、通りかかった人に小さな幸せを与えるくらいはできるかもしれない。

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