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佳作
あこがれの家
大西 宣彰
多摩美術大学 大学院 美術研究科 環境デザイン
共同制作者/大室 佑介
私は失敗した。
私にとって、均質で真っ白な壁に囲まれた家は退屈すぎた。
皆は、ここを美しい「生」に満ちた空間だと言う。だが、私はどうだ。ここに住み続けたことで、家に殺される恐れを抱くようになった。汚れを許さぬ壁、表情のない家具、いやに透き通っている。これほど無表情な「生」が私は怖い。この家のどこかで、「死」が押さえつけられ、いつの日か、それが噴き出してきやしないかと心配なのだ。
隣の家の窓から、きれいな花がみえる。
そうだ、私は「生」を映すかのような、あの穢れなき姿に憧れ、さっさと家を建ててしまった。
いつの日だったか、隣人が漏らした言葉が頭をかすめる。
『住宅は、死へ向かう、機械である。』
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