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佳作A

陸の箱舟
-非常と日常を漂流する木造小屋-

高橋 一稀

京都大学大学院 工学研究科
建築学専攻

共同制作者/川上 周造

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木造建築は元来日本のアジール・フロッタンであった。
ハレ(非常)もケ(日常)も包容するうえ、曳家によってその場所も変え得る。
ここ10年間でモノや情報の流動性が急増し、以前よりも日常・非常が
混在している現代に、日本の国土を漂流する可動式の木造小屋を再提案する。
有り余る森林を背景に、小規模の林業家と大工で作ることのできる簡易的な
木造小屋は、都市の建設需要の波に乗って陸地を漂流する。
非常とはもはや災害のみを指す言葉ではない。
失業、旅行、ビジネス、転居…あらゆる非常が身近にある。
日常から非常まで、グラデーショナルな需要に応じて臨機応変に場所を移し、
その顔を何度も生まれかわらせる木造の可能性を提示する。

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